川田建設・三協立山が共同開発
景観に配慮したアルミ製”常設足場”で高架橋などの点検・補修に活用
~首都高速都心環状線にて採用~

2022.07.19

 川田建設株式会社と三協立山株式会社は、橋梁や高架橋に設置し、点検・補修時に足場として使用できるアルミ製の“常設足場”を共同開発しました。

 従来、橋梁や高速道路・鉄道などにかかる高架橋の点検・補修は都度、仮設足場を設置して行っていましたが、高架下の交通規制や景観の悪化などの課題がありました。また、2014年の道路法改正(※1)により、橋梁や高架橋は5年に1度の点検が義務化となったことで、常設された足場へのニーズが高まっています。
 そこで今回、川田建設の「橋梁で培ってきた技術力」と三協立山の「アルミ建材で培ってきた技術力」を融合し、施工性と美観に優れた、軽くて錆びにくいアルミ製の“常設足場”を開発しました。

 本製品の初回物件として首都高速道路株式会社の都心環状線の一部にて採用され、2022年8月竣工予定です。今後、ほかの高速道路への拡販を目指します。

アルミ製“ 常設足場 ”の特長

※1.「道路法施行規則の一部を改正する省令」が平成26年3月31日に公布、平成26年7月1日に施行されました。
  出展:道路の維持修繕に関する省令・告示の制定について(道路法施行規則の一部改正等)
  平成26年4月2日 国土交通省道路局 【URL】https://www.mlit.go.jp/common/001034659.pdf

【特長】
1.景観に配慮した高い意匠性

 建材メーカーの押出技術や設計力を生かし、意匠を追求することで、より橋梁の美観を向上させるデザインを実現しました。側面パネルには、フラットタイプのほか、ビル建材で培った外装材の技術を用いて、ルーバータイプもラインアップしました。裏面パネルはフラットタイプとアーチタイプの2種類を設定し、高架橋を見上げた際の美しさにもこだわりました。
 また、カラーバリエーションは5色から選択でき、パネルデザインや色の組合せによって様々な景観に調和した外観意匠を演出することができます。

■カラーバリエーション

カラーバリエーション

2.「送り出し工法」による工期短縮、コスト削減(※特許出願中)

 今回共同開発した「常設足場」は、施工した常設足場内から送り出し治具を用いて横梁を送り出し、橋桁に固定した横梁間に裏面パネルを順に設置します。高速道路下の一般道路では、大規模な交通規制や道路上に設置する仮設足場が大幅に削減でき、工期短縮、仮設足場リース費用などのコスト削減に繋がります。

3.点検・補修時における快適な作業環境

 側面パネルのルーバータイプには「開放型」と「密閉型」の2タイプをラインアップしており、「開放型」を使用することで、採光や換気ができ、快適で安全な点検・補修作業環境を確保することができます。「密閉型」は、外観は「開放型」と同じですが密閉することで、海岸近くの潮風による塩害の影響を抑制することが可能です。
 また、常設足場を設置する外部環境に応じて2タイプを上下で組み合わせることもできます。

上下組み合わせパターン(上部:開放型、下部:密閉型)

【仕様】

◆標準パネルサイズ

裏面パネル
タイプ:フラットタイプ
アーチタイプ
サイズ:幅250mm×厚さ50mm×長さ2000mm

側面パネル
タイプ:ルーバータイプ(開放型/密閉型)
    フラットタイプ(密閉型)
サイズ:高さ300mm×厚さ52mm×長さ2000mm

◆材質

 アルミニウム合金

◆表面処理

 陽極酸化被膜+クリア塗装(艶消し)

<川田建設の技術力>
・川田建設は、橋梁の新設や大規模更新・修繕、保全において、国内屈指の技術と実績を誇る建設会社です。今回、川田建設がこれまで培ってきた橋梁に関する技術力を生かし、安全性と工期短縮に加え点検や補修時の作業環境に配慮した構造の常設足場を実現しました。

<三協立山の技術力>
・三協立山・三協アルミ社は、ビルの外装材をはじめマンションや戸建住宅用のサッシ、公共用の高欄などのエクステリア建材を扱うアルミ建材メーカーです。今回、これまで培ってきたアルミ建材に関する技術力を生かすことで、街の景観に配慮した意匠性の高い常設足場を実現しました。

記載されている情報は、発表日現在のものです。

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