資源の有効活用
三協立山グループではアルミや樹脂の資源の有効活用や、梱包資材など産業廃棄物の排出抑制に取り組んでいます。
廃棄物対策
三協立山グループでは生産工程から定常的に発生する産業廃棄物の排出量抑制に取り組んでいます。
産業廃棄物排出実績
2023年度の産業廃棄物排出量は、2022年度比13.6%減少(2.8千t減)となりました。これは生産量の減少および各工場の産業廃棄物排出削減施策実施によるものです。
産業廃棄物排出量原単位は、前中期(2018~2020年度)比※1で4.3%減少となりました。
リサイクル率は、97.6%でした。
※1年度ごとに廃棄物排出量にばらつきがあるため、基準を前中期(2018~2020年度)比と設定しています。
産業廃棄物排出量と生産量原単位対前中期比の推移

産業廃棄物排出削減活動
工場から排出される樹脂形材屑(アルミ切粉付着)、廃養生シート及び廃樹脂パレットを有価売却することなどで、140t/年の産業廃棄物排出量を削減しました。
ゼロエミッション達成状況
2022年度は13工場中11工場でゼロエミッション(リサイクル率97%以上)を達成しました。
PCB管理

PCB廃棄物搬出作業
■PCB管理対象機器台数一覧(2024年3月31日現在)
(単位:台)
拠点名 | 高濃度PCB廃棄物 | 低濃度PCB | |||
---|---|---|---|---|---|
保管 | 保管 | 使用中 | |||
電気工作物 | 安定器 | 試薬 | 混入廃棄物 (分析サンプル除く) |
混入 電気工作物 |
|
新湊 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 |
福岡西福岡分 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 |
射水 | 0 | 0 | 0 | 21 | 0 |
奈呉 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
三協立山本社 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
合計 | 0 | 0 | 0 | 30 | 6 |
※上記集計表には、使用中の電気工作物、安定器で、PCB含有有無が未確認のものについては含まれていません。
アルミニウム -リサイクルアルミの使用の促進-
近年、アメリカや欧州をはじめとする海外諸国において、アルミニウムが「重要戦略物資」に指定され、一部地域からの輸入を制限するなど、アルミニウムの貿易に大きな影響を与える市場の変化がありました。この動きにより、アルミ新地金の全量を海外から輸入している日本にとって資源リスクの高まりが予測されます。そのことから、今後、日本国内の資源の循環利用、つまりアルミのリサイクルの重要性が高まっていくと考えられます。
また、リサイクルアルミを使用することでCO₂排出量の削減にもつながります。リサイクルアルミは精錬工程が不要なため、アルミ新地金の生産に比べて、CO₂排出量を約3%に抑えることができます。そのため、温室効果ガス削減の観点からも、アルミ資源の循環利用はアルミ素材を事業の中心としている当社にとって最重要課題と認識しています。
目標の設定
また、建築・建設業界では、「建物の建設に際して発生する温室効果ガス」を削減するため、建物を構成する建築資材に対して、製品製造時の温室効果ガス排出量を明示することや削減することが求められており、建築・建設業界の脱炭素の動きに対応するため、2030年度目標として「建材向けアルミリサイクル率80%」を設定しました。目標の達成に向け、スクラップ溶解炉への設備投資や分別回収の促進などを進めてまいります。さらに、スクラップの安定確保や生産体制の整備、リサイクル技術の確立により、リサイクル率100%を目指してまいります。
■建材向けアルミリサイクル率

※1個別製品ごとの指標を表すものではありません
※2対象とする拠点は、国内鋳造拠点
※3社内の製造工程で生じた端材を含みます
2023年度活動実績
三協立山は、原材料の調達から鋳造を自社内で行っており、使用素材の配合を自社独自に行える強みを生かして、アルミリサイクル材の使用量を増やす取り組みを推進してまいりました。リサイクル材となるスクラップの回収強化や溶解工程の効率化を進め、建材向けアルミリサイクル率は52.4%となりました。
また、循環型社会の実現に向け、お客様とともにアルミリサイクルの取り組みを進めています。その活動の一つとして、三協立山では東海道新幹線車両のアルミ廃材から鋳造・押出を行ったカーテンウォールを製造しました。新幹線車両のアルミ廃材を一部利用したカーテンウォールは、東海旅客鉄道(JR東海)様が整備・運営する「FUN+TECH LABO」(ファンタスティックラボ)に採用されています。
今後のリサイクル技術の向上に向け、産学官連携によるリサイクルの研究にも力を入れています。当社が幹事機関として参画し、富山大学が産学官民で進めてきたアルミの先進的なリサイクルに関する研究プロジェクト「富山循環経済モデル創生に向けた産学官民共創拠点」※1が、科学技術振興機構(JST)※2の共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)において、育成型から本格型に昇格しました。産学官金民が協働で取り組むアルミリサイクル共創拠点として富山大学高岡キャンパス内に建設された「富山大学軽金属材料共同研究棟」において、富山大学と共同で設置した研究講座でのアルミリサイクルに関する研究を加速して進めています。
※1富山循環経済モデル創生に向けた産学官民共創拠点
https://kyoso.ctg.u-toyama.ac.jp/
※2科学技術振興を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人

「FUN+TECH LABO」(ファンタスティックラボ)
JR東海様提供
2024年度活動計画
2024年度は、アルミリサイクル材入手に関する取引先との関係強化や溶解工程の要となるスクラップ溶解炉の整備を進め、引き続きアルミリサイクル材の使用量を増やす取り組みを推進するとともに、産学官連携によるリサイクルの研究を進めてまいります。
樹脂 -樹脂リサイクルの使用の推進-
樹脂をはじめとするプラスチックは生活に欠かすことができない重要な素材である一方、ごみによる海洋汚染や焼却処分時の温暖化ガス排出など、様々な環境問題の原因となっています。欧州連合(EU)を中心とした規制強化の動きが拡大する中で、日本においても多くが焼却処分されているプラスチックの再生利用を促し、脱炭素化をすすめる動きが急速に求められるようになってきました。
三協立山グループでは、資源の循環使用と廃棄物の再資源化を推進し、環境負荷低減を図るべく、サーキュラーエコノミーを意識したモノづくりを目指しています。
2023年度活動実績
三協アルミ社のカーポート屋根材に使用しているポリカーボネートパネルの端材についてリサイクルに取り組みました。リサイクルした端材は、タテヤマアドバンス社の陳列什器に使用されている「ブラケットストッパー」への採用に向けて技術検証を進めています。
2024年度活動計画
2024年度は、社内リサイクルを推進するとともに、再生材やバイオマス材料について検討を進めてまいります。また、一般社団法人日本サッシ協会、樹脂サッシ工業会、塩ビ工業・環境協会、および樹脂窓リサイクル検討委員会が公表した「樹脂窓リサイクルビジョン」の趣旨に賛同し、この活動を支援していきます。
※ニュースリリース「樹脂窓リサイクルビジョン」に賛同
梱包資材 -環境に配慮した資材の使用を推進-
再生材料で作られた梱包資材の使用は、新たな材料で梱包資材を製造する時と比較して、エネルギー消費が節約され、温室効果ガス排出量を抑制する効果が見込まれます。また、梱包資材を再利用し、廃棄物を削減することで、廃棄物処理施設や埋め立て地などの土地への環境負荷が軽減されます。三協立山グループでは、持続可能な社会の実現に向け、環境に優しい再生材を使用した梱包資材の活用や梱包資材の再利用を推進しています。
2023年度活動実績
■再生材料を使用したポリ袋の採用
一部の製品に使用するポリ袋を再生材料に切り替えました。

■再利用可能な資材への置き換え
製品の運搬時に使用しているストレッチフィルムは、一回の使用で廃棄していましたが、何度も使用できるバンドに置き換えることでストレッチフィルムの廃棄量を削減しました。

2024年度活動計画
2024年度は、押出工場からの材料出荷時に使用する梱包資材をリユース化することで廃棄物の削減を計画しています。また、製品に使用される梱包資材を環境に優しいものに置き換えて、温室効果ガス排出量を抑える取り組みを進めてまいります。