環境

資源の有効活用

三協立山グループではアルミや樹脂の資源の有効活用や、梱包資材など産業廃棄物の排出抑制に取り組んでいます。

産業廃棄物排出実績

2022年度の産業廃棄物排出量は、2021年度比2.1%減少(0.4千t減)となりました。これは各工場の産業廃棄物排出削減施策実施によるものです。
産業廃棄物排出量原単位は、前中期(2018~2020年度)比※1で5.0%減少となりました。

※1年度ごとに廃棄物排出量にばらつきがあるため、基準を前中期(2018~2020年度)比と設定しています。

産業廃棄物排出量と生産量原単位対前中期比の推移

産業廃棄物排出削減活動

高岡工場から排出される加工後製品の洗浄廃液の再利用をすることで、13.3t/年の産業廃棄物排出量を削減しました。

産業廃棄物リサイクル率

2022年度の三協立山でのリサイクル率は98.0%でした。

PCB※2管理

三協立山グループでは、PCBを含む電気工作物、安定器についてPCB廃棄物特別措置法に準拠して適正に処理、保管および管理をしています。

※2 PCB:ポリ塩化ビフェニル

PCB管理対象機器台数一覧(2023年3月31日現在)

(単位:台)

PCB廃棄物搬出作業

循環アルミの使用促進

脱炭素化の流れが加速し、使用したアルミニウムを素材として再利用する循環型サプライチェーン構築へのお客様からの要望が高まっており、アルミニウムの資源循環は従来よりも重要性が増しています。
また、経済産業省策定の「成長志向型の資源自立経済戦略」の中に、国内アルミリサイクル材の需要拡大を目指すことが提言されています。これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の線形経済から、限られた資源の創出・利活用と価値売りを中心とする循環経済への転換が求められています。当社においても原材料のカーボンニュートラルを目指して「循環アルミの使用促進」による循環経済への移行を進めています。

2022年度活動実績

当社基幹製品のアルミ押出形材に使用するビレット鋳造工程では、10年前からスクラップ溶解設備を活用し、アルミリサイクル材のさらなる使用増量を進めました。アルミリサイクル率は、社内の製造工程で発生するリターン材を含めると50%、社内のリターン材を除いたアルミ循環使用率は、20%程度となりました。
アルミニウムの資源循環に関する社会・業界動向や社内の取り組み・方向性についての社員向けの勉強会を開催し、知見を深めるとともに会社方針の浸透を図りました。
「循環アルミの使用促進」に向け、日本アルミニウム協会の各委員会活動への参画だけでなく、産学官連携によるリサイクル研究に取り組んでいます。国立大学法人富山大学とは、共同でアルミリサイクルおよび押出加工の革新研究を行うため、2022年8月先進軽金属材料国際研究機構に共同研究講座を設置し、アルミ合金のリサイクル材を押出材に転用可能なアップグレードリサイクル技術の構築を進めています。また、富山県内のアルミニウム関係産業活性化のための産学融合拠点構想プロジェクトである「富山資源循環社会モデルの創成」に賛同し、産官学民連携での活動を進めています。

2023年度活動計画

三協立山は、鋳造工場を保有し、原材料の調達から鋳造における使用素材の配合を自前でできる強みを生かし、引き続きアルミリサイクル材の使用量を増やす取り組みを推進するとともに、産学官連携によるリサイクルの研究を進めていきます。

アルミリサイクル材

国立大学法人富山大学と共同研究講座を設置
(先進軽金属材料国際研究機構にてアルミリサイクルと押出加工の革新を研究)

三協立山は国立大学法人富山大学と共同でアルミリサイクルおよび押出加工の革新研究を行うための共同研究講座※1を2022年8月、先進軽金属材料国際研究機構※2に設置いたしました。
リサイクル材を溶解してアルミ製品を作る場合、天然資源と石油由来の電気から新造した場合に比べ、エネルギー消費が少なくCO₂排出量は約3%に抑えられます。しかし、アルミ合金は各種添加元素を含んでいます。その中でスクラップを再利用する過程において、特に溶けたアルミ合金から不純物は分離しにくく、その除去が大きな課題です。サッシからサッシなど同種の製品へ再生することは可能ですが、アルミ缶やサッシ、自動車部品などが混在したスクラップからの製品製造は困難な状況です。

■研究課題

①アルミスクラップの不純物制御に関する研究
②超高強度アルミ合金の押出加工・熱プロセスに関する研究

■共同研究体制

同講座に三協立山より共同研究講座教員1名、研究者4名を派遣します。

記者会見の様子

※1 共同研究講座:(国立大学法人富山大学共同研究講座規則から抜粋)共通の課題に関し本学と共同で研究を実施する民間等外部の機関から本学に受け入れる経費を活用して設置及び運営し、もって本学の研究の進展及び充実に資することを目的とする。

※2 先進軽金属材料国際研究機構:2021年に日本初の軽金属国際研究教育拠点の構築を目的に熊本大学と富山大学が連携し設置。文部科学大臣から共同利用・共同研究拠点として認定

樹脂の再資源化推進

2022年度活動実績

資源の循環使用と廃棄物の再資源化を推進し、環境負荷低減を図るべく、サーキュラーエコノミーを意識したモノづくりを目指しています。具体的には、サッシに使用している樹脂押出形材について、組立工程で発生する端材の廃棄量削減に取り組み、加工端材の社内リサイクル率を50%以上にしました。

2023年度活動計画

2023年度は、看板等において使用量の多いアクリル系樹脂部材・端材のリサイクル実用化に向けた技術検討を推進します。
また、持続可能な社会への貢献として、使用後に廃棄される樹脂窓のリサイクルシステム構築を目指した産官学連携の取り組みに参画しています。

梱包資材の環境配慮推進

環境負荷低減や循環型社会に寄与するため、梱包資材の廃棄量を最小限に抑制する取り組みを行っています。また、リサイクル可能な資材やCO₂排出量の少ない資材への切り替えなどを推進しています。

発泡スチロールの緩衝材を、繰り返し使用可能な「紙」に変更することで、製品納入先での発泡スチロールの廃棄量を削減しています。また、CO₂排出量の少ない再生材を使用して製造された梱包資材も採用しています。

製品の運搬時に使用するストレッチフィルムの減容化や、梱包資材のリユースについても、品質面での問題が発生しないことを確認したうえで、順次採用していきます。

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