セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収する「水平リサイクル」の運用開始
~循環型社会の実現に向け、新たなリサイクルフローを構築~

2025.03.19

 三協立山株式会社は、循環型社会の実現に向けた新たな取り組みとして、セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収し、それらのアルミ棚を原料の一部として新たなアルミ棚を製造する「水平リサイクル※1」の運用を開始しました。また、回収したアルミを使用したウォークイン※2アルミ棚を新店舗に導入しました。

※1.使用済み製品を再原料化し、再び同一の製品を製造すること。
※2.冷蔵した状態のまま商品を陳列できるガラス扉付きの什器で、後方にも商品補充用の扉がある。ペットボトル飲料の陳列で多く採用され、来店客が前方の商品を取り出すと、後方の補充用の商品が前方に滑り出す仕組みになっている。
新店舗に導入したウォークインアルミ棚

新店舗に導入したウォークインアルミ棚

1.「アルミ水平リサイクル」の取り組みの背景

 三協立山では、サステナビリティビジョン2050※3を掲げ、「循環アルミの使用促進」を進めています。アルミはリサイクルしやすいという特性があり、原料から新しくアルミを作るのに比べて97%のCO₂排出量を削減できます。
 リサイクルしやすい一方、アルミ製品には様々な種類のアルミ合金が使われており、回収の際に複数のアルミ合金が混ざると選別が難しく、品質が確保できる良質なアルミスクラップの調達が困難となっています。
 また、低炭素資源であるアルミスクラップの輸出量※4は年々増加しており、その流出を防ぐため、国内循環利用が求められています。

◆複数のアルミ合金が混ざるとリサイクル時の品質が低下
 リサイクル時にはアルミを再度溶解しますが、複数のアルミ合金が混ざった状態ではアルミ棚として求められる押出材の品質(強度や精度)を満たす再生アルミを作ることが困難であったことから、これまでは鋳物やダイキャストとしての再利用となっていました。
※3.三協立山 サステナビリティビジョン2050
  https://www.st-grp.co.jp/sustainability/index.html
※4.2023年度のアルミスクラップの輸出量は、国内で回収した約130万t/年のうち、約4割(46万t/年)

2.「アルミ水平リサイクル」の取り組みの概要

 今回の取り組みは、これまでリサイクル会社などに一括回収されていた設備機器の中から、アルミ棚のみを選別して回収することで、品質が確保できる良質なアルミスクラップを調達する新たな試みです。

《アルミ水平リサイクルフロー》

 店舗には、アルミ棚をはじめ、開口部など様々な部分にアルミ部材が使われています。今回、当社とセブン-イレブン・ジャパンが連携し、アルミ棚のみを選別して回収。回収したアルミ棚は、当社グループ内で溶解しビレットを鋳造、アルミ棚用の形材を押し出し、再びアルミ棚に加工してセブン-イレブンの店舗にて利用されます。
 今回回収したアルミ棚はすべて当社製品のため、新しい店舗用什器としての品質を確保した水平リサイクルが可能となりました。

3.今後の展開

 現在までに約4,000枚(約9トン)のアルミ棚を回収しリサイクルすることにより、約90トンのCO₂排出量を削減しました。今後、他店舗への展開を進め、水平リサイクルを継続・拡大してまいります。
 また、今回のアルミ棚にとどまらず、ポール看板などの店頭看板に使用しているアルミ材の水平リサイクルについても検討を進めます。
 当社は引き続き、持続可能な調達を可能にする循環型社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

【「ウォークインアルミ棚」仕様】

材質 アルミ形材(A6063)
カラー シルバーつや消し、ホワイト

記載されている情報は、発表日現在のものです。

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